以前、何回かお話させて頂いた事もありますが、私は茶農家の祖父を持ち、お茶屋を始めた父の家に生まれ、茶畑に囲まれた環境の中で育ちました。当然、幼い頃の遊び場も茶畑や茶工場です。これって、お茶屋の息子に生まれた私にとっては普通な事なのですが、そうじゃない人から見ると特別な事らしいのです。まぁ言われてみると、私もお茶屋の息子に生まれなければ、決してこんな環境の中では生活してこなかったと思います。
今、私はお茶屋の息子に生まれてよかったと思っていますが、小さい頃はお茶屋の息子に生まれた事をあまり良く思っていませんでした。何となく地味だし、かっこ良くもないし、「他の商売屋の息子に生まれたかったなぁ~」と思っていました。そして、私の小さい頃の雰囲気というか世の中の風潮として、「長男が家を継ぐもの」という空気があったと思うんです。今でもそういったものはありますが、30年位前はもっと強かったと思います。でも、最初の話ではないですが、いつの間にかお茶屋に生まれて良かったと思うようになっていたんです。その頃から、仕事がとても楽しくなってきたのを覚えています。
以前、ある方からこんな言葉を頂いた事がありました。幸せになる秘訣は『自分の好きな事だけをやる事ではなくて、今自分の目の前にあってやらなければならない事を好きになる事なんだ』と…。
振り返ってみると、私はお茶屋になるべくしてお茶屋になったのだと思います。それは代々受け継がれてきた『お茶屋としての血』が騒いだのか、運命なのかは分かりません。しかし、そこに何らかの『絆』があったのだと思います。私の役割は、祖父や父が受け継いだ絆を次の世代に引き継いでいく事。そして、日本茶はもちろんですが、紅茶や中国茶などの世界のお茶の素晴らしさを皆様にお伝えする事だと思います。
これから暑い日が続く季節になりますが、そんな時でも美味しく飲んで頂けるお茶づくりに励みます。
(『絆』の糸をグッと握りながら、今もひたすら走り続ける健ちゃんでした)
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