三國屋善五郎 茶楽依倶楽部 コミュニティペーパー

みてくだ茶い

2006年
3月

『あと10回・・・』

産みの苦しみ

先日静岡から4人の生産家が私達の会社にやってきました。彼らは何を隠そう、私がいつもお世話になっている山崎茶師が最も信頼している生産家なのです。ある意味、彼らこそ茶葉の「産みの親」なのかもしれません。一年を通じての土作り。夏の炎天下の草むしり。そして新芽が芽吹く頃になると、気温の変化に神経を配る。本当に本当に子供が生まれてくる時のような『神に祈る』気持ちだと思います。彼らもまた私と同じように親の代から茶に囲まれて育ち、当り前のように茶に携わってきています。お茶以外は考えられない環境で育ってきているのです。

限られたチャンスを・・・

彼らの中の一人が言いました。「山口さん、俺は今53歳だ。あと何回現役でお茶を育て揉む事ができるかと考えると10回程度だ。たった10回しかチャンスがないんだ。お茶は農作物だからその年の天候に左右される。そういう意味では毎回が一発勝負なんだ。だから真剣なんだ。1回1回を大切にしたいんだ。でもあと10回・・・・・・。」そして続けてもう一人の仲間を指差してこう言いました。「こいつはお茶の機械で指を落としてしまったんだ。でもやっぱりお茶作りをやめられないんだ。」と・・・。私は言葉にならない思いにかられました。こんな人達と一緒に仕事をさせてもらって何て有り難いんだ。何て恵まれているんだ。そう思えてなりませんでした。

美味しいお酒

その日は夜遅くまで酒を飲み交わしました。同じ志を持つ者同士、本当に美味しいお酒を飲む事ができました。酒が入ってくるとお互いプライベートな話が出たりもしますよね。30年近くバンドをやっている者もいれば、若い時料理人だった者もいる。そして奥さんとの夫婦仲を自慢する者。気がつくと夜中の12時近くになっていました。仕事をさせてもらってその上こんな楽しい時間を過ごす事ができ、感謝の気持ちでいっぱいでした。

毎月発行『みてくだ茶い』

上に掲載しているのは、ほんの一部。まだまだ、お茶の話や最新情報、ちょっと役立つ豆知識など、健ちゃんがおもしろおかしくお届けしています。 購読ご希望の方は店頭にてお申し込みください。

お店の案内はこちら